「糖尿病があるけど、インプラント治療を受けることはできるのだろうか」――そのような不安を抱えて情報を調べている方は少なくありません。
結論からお伝えすると、血糖値が適切にコントロールされている状態であれば、インプラント治療を検討できるケースがあります。ただし、コントロール不良の糖尿病がある場合は、感染リスクや骨との結合不全のリスクが高まるため、慎重な対応が必要です。
- ✔糖尿病があってもインプラントを受けられる条件とは
- ✔糖尿病がインプラント治療にもたらす具体的なリスク
- ✔血糖コントロールとインプラント後のケアで押さえるべきポイント
糖尿病があるとインプラントはできない?患者さんが抱える不安
「持病があるから、インプラントはあきらめるしかない」と思い込んでいる方は多くいらっしゃいます。大切なのは「糖尿病であるかどうか」よりも、現在の血糖値がどの程度コントロールされているかという点です。
「糖尿病=インプラント不可」は誤解
糖尿病と診断されていても、内科的な治療によって血糖値が安定している方は、インプラント治療を受けられるケースがあります。歯科の現場では、内科の主治医との情報共有を行いながら、全身状態を踏まえた治療計画を立てることが一般的です。
糖尿病患者さんが特に心配する3つのこと
- ✔傷の回復が遅くなるのではないか
- ✔感染症が起きやすくなるのではないか
- ✔インプラントが骨にしっかり定着するのか不安
糖尿病がインプラント治療に影響する仕組み
血糖値が慢性的に高い状態が続くと、白血球の働きが低下し、体の免疫機能が損なわれます。その結果、手術後の傷口に細菌が感染しやすくなり、インプラント周囲炎のリスクが高まることが知られています。
糖尿病によって毛細血管の機能が障害されると、術後の組織修復に必要な栄養や酸素が行き渡りにくくなります。コントロール不良の糖尿病があると、骨結合が不十分になるリスクがあることが複数の研究で報告されています。
糖尿病と歯周病には双方向の悪影響があることが明らかになっています。インプラント治療を成功させるためには、既存の歯周病を先に治療・管理しておくことが前提条件となります。
よくある誤解:「インスリン注射をしていたら手術できない」は必ずしも正しくない
インスリン治療を受けているからといって、自動的にインプラント手術が受けられないわけではありません。重要なのはインスリン使用の有無ではなく、HbA1cの値や血糖値の安定度です。

インプラント治療を検討できる血糖コントロールの目安
HbA1cと治療判断の目安
- ✔HbA1c 7.0%未満:コントロール良好。インプラントを含む外科処置を検討できるケースが多い
- ▲HbA1c 7.0〜8.0%:境界的な状態。内科主治医との相談のもと、慎重に判断する必要がある
- ✖HbA1c 8.0%以上:コントロール不良。感染・治癒遅延リスクが高く、血糖管理を優先することが一般的
インプラント前に確認すべき全身状態のチェックポイント
- ✔内科で処方されている薬の種類(骨吸収抑制薬など)
- ✔腎症・神経障害・網膜症などの糖尿病合併症の有無
- ✔血糖値の安定度(最近の検査値)
- ✔喫煙習慣(血行障害を悪化させる要因になり得る)
糖尿病患者のインプラント治療で重要な管理ポイント
治療前:内科との連携と口腔環境の整備
インプラント手術を行う前に、内科の主治医と歯科医師が情報を共有し、連携を取ることが大切です。既存の歯周病・虫歯・歯石の除去を先に行い、清潔な口腔環境を整えてからインプラント手術に臨むことが原則です。
治療中:手術当日の血糖管理
インプラント手術当日は、血糖値の状態が特に重要です。低血糖・高血糖のいずれも手術リスクを高めるため、内科主治医の指示に従って食事・服薬を管理することが必要です。
- 骨結合が安定しやすくなる
- 感染リスクを低減できる
- 術後の回復が早まりやすい
- 長期的な予後が改善される可能性がある
- 術後感染・インプラント周囲炎のリスク上昇
- 骨結合不全による脱落リスク
- 傷の治癒が遅くなる可能性
- 再手術が必要になるケースも
治療後:定期メンテナンスと予防ケアの徹底
糖尿病の方は特に、インプラント周囲炎のリスクが高いため、通常よりも短いサイクルでのプロフェッショナルケアが推奨される場合があります。自宅でのセルフケアとして、丁寧なブラッシングとフロスの使用を継続することも重要です。
オカダ歯科クリニックの難症例・全身疾患対応について
- ✦インプラント難症例への対応実績:スイス・ハンガリーをはじめとする海外の研修施設で骨造成技術・インプラント治療の研鑽を積んだ院長が難症例にも対応します
- ✦歯科用CT・マイクロスコープ完備:精密な診査・診断のため、歯科用CTによる骨量・骨質の事前評価が可能です
- ✦クラスB滅菌システム導入:ヨーロッパ基準の高水準滅菌システムにより、院内感染リスクの低減に取り組んでいます
- ✦セカンドオピニオン対応:5,000円(保険外・レントゲン含む)で対応。他院で「難しい」と言われた方もお気軽にご相談ください
糖尿病をお持ちの患者様から「インプラントは諦めるしかないと言われた」というご相談をいただくことがあります。適切な準備と内科との連携によって治療を進められるケースは多くあります。難症例や持病のある方も、一度ご相談ください。
岡田素平太(院長・歯学博士・医療法人社団美樹歯会理事長)
よくあるご質問(FAQ)

この記事のまとめ
- ✔糖尿病があってもインプラントを検討できるケースがある。重要なのは血糖コントロールの状態
- ✔HbA1c 7.0%未満が一つの目安とされているが、個人差があり総合的な判断が必要
- ✔糖尿病はインプラント周囲炎・骨結合不全・治癒遅延のリスクを高める可能性がある
- ✔治療前の歯周病管理・内科との連携・術後のメンテナンスが成功の鍵
- ✔難しいと言われた方も、一度専門医へのセカンドオピニオンを検討してみることが大切
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